就職氷河期にSEやMRになった友達をよそに、メリケンのコンサルタント会社勤務していたが、時給換算で学生時代より荒んだ35歳独身。 「下手くそ経営者」「⇒使い捨て若者」「LINE、スマホ」「虚業」「だらしない団塊男女」職場や社会で生まれる怒りの弾丸を放つ新聞。たぶん、直に廃刊する。あしからず。中身男、経済とか政治とかまじかにふれるコンサルだけに。読んでスッキリ、あほをけさぎり、なるたけ救う。がモットー
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<中国の外貨準備と米中金融相互確証破壊>
外貨準備が巨大な規模に達しているのは、中国の貯蓄率が高く、しかも、貯蓄を投資する上での制約が存在することが一つの理由だ。中国の人々は依然として、多額の資金を国外へと動かすことはできない。年間35万人民元(約5万ドル相当)を超える金額を外国に投資することは法律で禁じられている。
一方、国内の投資先である株式市場は、たんなる噂と政府の政策変更程度しか判断材料がないために、非常に変動が激しく、すでに投機的な住宅市場はブームとバストの問題(バブル崩壊の危機)に直面している。しかも、もっとも安全な貯蓄の保管先である銀行口座の預金金利は、インフレ率を考慮すれば、実質的にマイナスという有様だ。
この10年間で中国経済がより生産的になり、政府が国内経済計画への自信を深めていくにつれて、北京は外国での金融プレゼンスを強化するための準備に着手した。中国人民銀行は、先ず資本を蓄積した上で、流動性と収益性を確保していくことを常に意識してきた。
貯蓄を促して輸出主導の経済成長モデルを取り始めた当初、中国政府は外国の政府債券、そして一部では金を購入した。だが、この10年間で大規模な外貨準備を手にすると、民間債券を購入するなど、中国は外国への投資をめぐって新しいアプローチを取り始めている。
圧倒的な規模の外貨準備を持ち、しかもその規模は今後ますます拡大していくと考えられており、いまや中国は、依然として低い一人あたり所得のレベルからは到底考えられないような、金融市場における圧倒的な影響力を手にしつつある。
たしかに、巨大な金融資産を持つ中国は、その気になれば、米国債市場、ユーロ建て債券市場を大きな混乱に陥れる力を持っている。とはいえ、中国は世界の金融市場でこれまで責任ある行動を取ってきたし、そもそも、世界市場を混乱させるのは中国にとっても自滅的な行為だ。
しかしそれでも、専門家の一部は中国が世界経済を混乱に陥れるポテンシャルを持ちつつあることを脅威とみなし始めている。中国が米国債の購入を止めたり、あるいは、手放したりすれば、アメリカ経済に深刻なダメージが出ると専門家たちは心配している。
少なくとも米財務省の公的な統計数字をみると、たしかに中国は購入する対象を次第に米短期国債へとシフトさせているようだ。2009年に中国が新規に購入した米国債2810億ドルのうち、1300億ドルは短期債の購入に充てられている。それでも、1510億ドルが長期国債の購入に充てられたことになるが、2004年以降でみると、いまや長期国債の購入額の伸び率は大きく鈍化している。
中国が保有するドルや他の準備通貨の規模は時とともに低下していくと考えられるが、少なくとも現状では、アメリカとヨーロッパの主流派は、中国の莫大な外貨準備をその貿易黒字同様に、欧米にとっての大きな脅威とみなしている。
しかし、現実には、アメリカと中国は互いに相手の囚われ人となっていると考えるべきだ。アメリカは少なくとも当面は「中国に米国債を購入してもらいたい」と考えているし、中国にしても、保有するドル建て資産の価値を維持していくには、ドル建て債券を買い続けるしかないからだ。
中国の国家統計局の数字によれば、中国の貿易黒字額は2008年の2980億ドルから2009年には1960億ドルへと低下しているが、2009年の段階でも、中国の外貨準備を吸収できる規模の、ユーロ、スイスフラン、円建ての債券、あるいは金は存在しない。
いずれ保有するさまざまなドル資産から米国債を排除していこうと中国が決断する日がやってくるかもしれない。特に米国債の金利が低下した場合には、そうなるかもしれない。
しかし、ノーマルな環境でそうした行動に出れば、中国が保有するドル資産の価値が大幅に低下し、金融市場が大きく混乱するのも避けられなくなる。とすれば、そのような行動をとることをそもそも思いとどまるはずだ。さらに、仮に米国債を排除していけば、ワシントンは中国製品に対する貿易障壁を導入するなど、報復措置に出るだろう。この場合、実質的に国内雇用の創出をアメリカに依存している中国経済は、非常に大きな痛手を受けることになる。
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