就職氷河期にSEやMRになった友達をよそに、メリケンのコンサルタント会社勤務していたが、時給換算で学生時代より荒んだ35歳独身。 「下手くそ経営者」「⇒使い捨て若者」「LINE、スマホ」「虚業」「だらしない団塊男女」職場や社会で生まれる怒りの弾丸を放つ新聞。たぶん、直に廃刊する。あしからず。中身男、経済とか政治とかまじかにふれるコンサルだけに。読んでスッキリ、あほをけさぎり、なるたけ救う。がモットー
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今回は、子供の教育資金の積み立てをNISAで考えてみてはどうだろうか、というテーマです。学費に割り当てる金融商品と言えば、学資保険が非常にポピュラーです。ということで、この記事では、まず、学資保険の性質に触れてみます。次に、そのライバルとして、一般的な終身死亡保険とこのNISAを取り上げます。
さて、子供の教育資金として、学資保険を利用される方は結構多くいらっしゃると思います。例えば、現在、小さな子供がいて、生命保険に加入している方は次のような構成で保険に加入していると思います。
(逓減)定期死亡保険、あるいは収入保障保険で、万が一の時の大きな金銭的補償に備え、その他に医療保険やがん保険に加入している。
これが極めて一般的です。さて、小さな子供がいる家庭で悩みどころなのは、将来の進学資金をどのように確保するかということです。そこで、学資保険が金融機関から提案されるかもしれません。その時には、学資保険は一家の大黒柱が死亡した時のための支払い免除が付与されているはずです。つまり、学資保険は死亡保険です。それも貯蓄型の死亡保険ということになります。
ですから、学資保険について考えるときには「貯蓄」と「保障」の二つの側面から考えることになります。とくに「貯蓄」の面はNISAにも関わってきます。
ここで、学資保険の機能を考えると、二つの代替的な選択肢を挙げることができます。一つは、死亡保障という側面に着目して、一般的な終身保険。もう一つは、貯蓄の側面に着目して、証券投資を利用した貯蓄。この記事では、後者は当然、NISA(ニーサ/日本版ISA)を利用することにします。
さて、まず死亡保障という側面だけに着目するならば、学資保険は保証期間内に支払った金額分しか返ってきません。仮に死亡したとしても、たとえば、全体で500万円支払う予定だったなら、死亡後500万円の内未払い分が免除されるだけです。それに比べると、終身保険で、子供の学費が必要になる期間、500万円の死亡保障をつけるのに、500万円が必要になるということはありません。保障としての性格なら、断然、終身保険のほうが上です。
しかし、貯蓄、という側面では、支払った金額に若干の利子をつけて戻ってくる学資保険に比べて、終身保険は「元本割れ」を起こすことになります(一時払いは除く)。
ではNISAを使って、インデックスファンドで積み立てたらと考えると、こちらは市場次第ですが、おそらく金融資産を作るという側面では学資保険を上回るはずです。
しかし投資と違って、学資保険は市況を考えなくてもよいという利点があります。つまり、どれだけの金額が返ってくるかということがはっきりしています(終身の死亡保険も同様です)。ですが、ここで重要なポイントをもう一つ、流動性です。保険は預貯金やあるいは簡単に市場取引できるETFとは異なり、現金化しようと思えば、解約の手続きをしなければなりません。また、途中解約すると、不利になる場合が多くなっています。つまり、流動性=換金性が低いのです。
学資保険が対処するのは死亡リスクだけですが、学費が払えなくなる状況で必ずしも一家の大黒柱がなくなっているとは限りません。失職のリスクや、近年では精神疾患のようなリスクも考える必要があるでしょう。このような場合に、学資保険は役に立たない可能性があります。というのも、大学入学時に、と学資を用意していたとしても、その前の時点で躓く可能性があるからです。死亡、以外の一時的なリスクに対する資金需要を吸収する役目には学資保険は向いていません。
全方位をカバーするような金融商品はありません。金融商品を購入するときには、ある一つの目的に対してそれを充足するような商品を購入するのが一般的です。たとえば、貯蓄なら貯蓄、保障なら保障、というように。学資保険はその点で、二つをカバーしている分、上記のような制約があるといってもよいでしょう。
たとえば、死亡という状況に対しては死亡保険を積み立て、それ以外はETFで運用する、というやり方も考えられます(もちろん、普通に預貯金でもよいでしょう)。これなら、子供が進学するまでの時期の学資に対する死亡時の保障と、換金性を同時に追うことができます。そもそも別のタイプの資産で運用しているからです。学費のための貯蓄、という意識付けが必要だという理由であっても、口座を改めて開く、ということで意識付けすることができます。
なかなかお金が溜まらないから、学資保険という形で強制的に貯蓄しておくのだ、という意見もあります。しかしながら、そのような場合には、そもそもの消費性向や貯蓄性向についての見直しから―――生活の見直しから始めるべきでしょう。計画性のある資金管理ができるならば、学資保険の「貯蓄」の側面は薄れます。そして、死亡保障だけなら、終身の死亡保険の方が優秀なのです。本当に、学資保険で将来の進学費用に備えるべきかどうか、NISAをきっかけに見直してみてはいかがでしょうか。
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