忍者ブログ

真撫子新聞

就職氷河期にSEやMRになった友達をよそに、メリケンのコンサルタント会社勤務していたが、時給換算で学生時代より荒んだ35歳独身。 「下手くそ経営者」「⇒使い捨て若者」「LINE、スマホ」「虚業」「だらしない団塊男女」職場や社会で生まれる怒りの弾丸を放つ新聞。たぶん、直に廃刊する。あしからず。中身男、経済とか政治とかまじかにふれるコンサルだけに。読んでスッキリ、あほをけさぎり、なるたけ救う。がモットー

グローバルリバランス時代

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

グローバルリバランス時代

世界各国の指導者たちが、金融危機の再発を防ごうとグローバル・インバランスの是正に努めている。G20も、過剰なインバランスを察知するためのマクロ経済指標による警戒システムを構築しようと試みている。だが、おそらくもう心配はない。新興国が先進国経済に追いつきつつある以上、グローバル・インバランスがこれまでのようなペースで進むことはなく、減少していくと考えられるからだ。いわゆるセイビング・グラットの時代は終わりを告げ、今後は、資本が先進国から新興国へと下流に向かって移動するという流れが勢いを持つようになる。いまや新興国も十分な外国資産を保有し、外貨準備を蓄積する必要性をかつてほど強くは感じていない。逆に言えば、世界経済は先例のない新たな「リバランシング」局面に突入しており、今後、投資、貯蓄、資本移動のパターンが段階的に変化していくことになるだろう。新興国から先進国に向かって移動する資本が減少し、新興国の通貨価値が上昇する新時代へと流れはシフトしつつある。だが、別の危険もある。・・・ 今後、グローバル・インバランスは小さくなっていく> 2007年に始まったグローバル金融危機から世界経済はようやく立ち直り始めたばかりだが、すでにエコノミストと政策立案者は金融危機の今後における意味合いを考え始めている。金融危機に端を発する今回の大不況(the Great Recession)は経済領域における新時代の幕開けを告げていたのか、それとも、いずれは自律的に修正される一時的な衝撃にすぎなかったのか。 これらの質問にどう答えるかで、新興国と先進国の関係、国際貿易と資本移動の方向性、通貨戦争その他の経済摩擦の可能性を含む、重大な経済問題の行方が左右される。 最近の金融危機、そして金融危機を収束に持ち込んだ政策はこれまでわれわれが経験したことのないものだった。これまでの経済的混乱に比べて、今回の金融危機は、かつてなく大規模だっただけでなく、危機を誘発した原因も特有だった。 専門家の多くは、今回の金融危機を誘発した原因の一つはグローバル・インバランス(世界規模での国際収支の不均衡)だったとみている。経済理論では、先進国の投資家が新興国投資で利益を上げようとする結果、資本は、資金豊かな先進国から資金が不足している新興国へと「下流に向かって」流れていくと教えられる。しかし過去15年にわたって、資本は新興国から先進国へと「上流に向かって」流れた。 たしかに民間資本は経済理論通りに上流から下流へと向かったが、新興国の中央銀行や政府系ファンド(SWF)などが膨大な外貨準備を先進国に投資し、実質的には新興国から先進国へと資本が流れ込んだ。 金融危機が起き、リセッションに陥った当時、この先例のない下流から上流への資本の流れと、途上国における膨大な外貨準備の蓄積はすでに現実として受け入れられていた。 危機に直面した新興国は、外貨準備を用いて、金融危機が引き起こした嵐を乗り切ろうと試みた。実際、新興国は、バッファーとしての膨大な準備金をバックに、自国通貨と金融システムを守り抜いた。資本逃避を食い止め、資本市場へのアクセスを維持しただけでなく、財政出動プログラムを実施した。こうして、新興国は、これまでよりも巧みに、先進諸国よりも自信に満ちた態度で嵐を乗り切った。 しかし、新興国が金融危機の荒波を乗り切る上では、こうしたグローバル・インバランスの存在が助けになったかもしれないが、そもそも、先進諸国における金融危機を誘発したのはこのグローバル・インバランスだったと多くの専門家は考えている。 国際通貨基金(IMF)、G20、多くの国の中央銀行のバンカー、財務大臣、エコノミストは、米連邦準備制度理事会議長ベン・バーナンキが言う「グローバルな過剰貯蓄=セイビング・グラット」が先進諸国に資金が流入した大きな要因であり、その結果、先進諸国の金利が下がり、一般家計と投資家による過剰なリスク・テイキングが助長されたと考えている。 世界各国の指導者たちが、金融危機の再発を防ごうとグローバル・インバランスの是正に努めている。例えば、ティモシー・ガイトナー米財務長官は2010年に資本移動の上限を設定することを提案し、その後G20も、過剰なインバランスを察知するためのマクロ経済指標による警戒システムを構築しようと試みた。 しかし、経済史と現在のトレンドの双方を注意深く検証すると、政府による介入がなくても、グローバル・インバランスがこれまでのようなペースで進むことはなく、今後、減少していくと予測できる。つまり、グローバル・インバランスを問題視するエコノミストと政策決定者たちは、金融危機後の新しい経済が出現し、その課題に対応すべき時期に、すでに終わっている戦いにこだわり続けるという間違いを犯しかねない状況にある。 ↑ページの先頭に戻る <先進国にとってのリスクとは> グローバル・インバランスの脅威が解消されつつあるとしても、グローバル化の次の段階では政策決定者たちは新たなリスクと機会に向きあうことになる。 先進国の停滞は続き、さらなるリセッションに陥る可能性もあり、これによって世界経済全体がリセッションに陥るリスクもある。金融安定化政策が効果に乏しく、新たなグローバル金融危機のリスクを回避できない恐れもある。資本の流れが逆転し、先進国では投資資本が枯渇する危険があり、そうなれば保護主義が台頭する。格差拡大のトレンドが継続し、さらなる格差社会が出現する恐れもある。しかも、ドーハ・ラウンドは進展していない。下手をすると、過去65年をかけて培ってきた自由な貿易環境そのものが大きな圧力に直面することになるかもしれない。世界中で政治的および経済的な改革が停滞し、近年における進展のペースが鈍化し、流れが逆転する危険もある。 今後の課題ではなく、現時点で認識されているグローバル・インバランスの問題を是正していくことに時間、エネルギー、政治資本をつぎ込むことで、世界の指導者たちは、すでに終わっている戦争を戦おうとしている。リバランシングが必要なのはグローバル経済だけではない。政策決定も新たな環境に即したものにする必要がある。

拍手[0回]

PR

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

P R スポンサー

新聞運営のためにご協力いただいているスポンサーサイト様の紹介です♥